2022年度末には、年商50億円以上の大・中規模企業では50%ちかくがRPAを導入すると予測されており、中小企業でも導入が広がりをみせています。
RPAに挑戦したいと思っていても「どうやってはじめたらいいかわからない」「どうやって学習すればいいかわからない」という方のために、どうすればRPAを活用できるようになれるかを解説します。
目次
RPAとはどんなツール?
ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)、通称RPAは、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みです。
RPAは、人が行う処理手順を登録して、人が操作するのと同じ様に複数のシステムやアプリケーションを操作・実行することができます。
プログラミング経験がない人でも直感的に利用することができます。
大型のシステム導入をせずとも、個人で既存の業務を効率化を始められることがRPAの大きな特徴と言えます。
RPAができること
RPAを使うと、定型業務の自動化・効率化ができるようになります。
定型業務とは、ルールや手順が決まっていて、繰り返し実行されるような業務です。
人間は業務の結果だけをチェックすれば良くなるため、作業工数と人件費の削減につながります。
またRPAは決まった処理を正確にこなすため、ヒューマンエラーをなくすことにもつながります。
RPAに必要なスキル
RPAを使いこなすためには現時点でどんなスキル必要になるか解説します。
VBA、Access
RPAとなるとよく「VBAを使える必要はあるか?」と聞かれることがよくあります。
結論からすると「使えた方が習得は早いけども、必要ではない」です。
Accessに関しても同様に触ったことがない人でも十分RPAは使いこなせます。
ただし、Excelは自動化する対象業務となるため、関数を理解していることは必要となります。
RPAを使えるようになったとしても、そもそもExcel側で関数を組んだ方が効率的ということは多々あるため、あくまでRPAをツールのひとつとして捉え、業務の全体最適を考える必要があります。
業務管理能力
RPA人材は現状の業務の課題を把握し、課題解決に向けてRPAを有効に活用し業務を効率化します。
RPA導入の際、一つの部署の業務の自動化だけでなく、複数の部署に関わる業務を自動化する場合もあります。
そのような時は、業務管理がきちんとできていないと、RPAを導入して得られる効果は小さくなってしまいます。
コミュニケーション能力
RPAの導入には、あらゆる部署が関わります。
そのため、RPA人材にはコミュニケーション能力が必要となります。
円滑に現場とコミュニケーションが取れれば、現場でヒアリングをする際や何かトラブルが発生した時にも迅速に対応できます。
課題発見力
業務を改善して効率化するには、既存の業務を洗い出し、見直しして改善の余地がある課題を見つける力が必要です。
「既存の業務を効率化するには何をすべきか」を考えて行動できるRPA人材は業務の効率化をより促進できます。
柔軟性
RPAは導入することがゴールではなく、導入後にRPAを活用して業務を効率化させることです。
そのため、RPA人材には業務を効率化するための最適な手段を検討できる柔軟性が必要です。
自動化することではなく、そもそも必要のない業務がみつかることはよくあります。
仮にRPAの導入が最適ではない場合に、別の選択肢などを考えることができる柔軟性も必要になります。
RPAに向いている人
業務の効率化や改善に興味があり、自分の力で自動化が進んでいくことを楽しめる人が向いている人と言えます。
そのため、自身に定型業務をたくさん抱えている方の方が、自動化される楽しみをより実感できます。
ITが得意な方ではなく、苦手意識がある方であってもRPAが得意とする定型業務を実際にやっている方の方が向いていると言えます。
RPAの導入は手段であって目的ではありません。
本来の目的は、業務の効率化や改善であり、RPAによって生まれた余力を別の仕事に割り当てて、全体としての生産性の向上につながります。
RPAの勉強・学習の流れ
未経験からRPAを使いこなすまでの勉強や学習方法についてご紹介します。
オンライン学習講座・スクール
インターネット上で公開されているオンライン学習講座やスクールを活用すると、場所や時間にとらわれずに自分のペースでRPAを学べます。
映像で配信されている講座では、実際にRPAを操作している現場を見ながら学習できるため、初心者にとっても分かりやすいですし、リアルタイムのオンライン講義では、チャットやテレビ電話などを使って、講師とコミュニケーションを取りながら、RPAについて学習できます。
勉強会・研修
RPAの学習者を対象とした勉強会や研修に参加することも、未経験者にとって効果的です。勉強会や研修に呼ばれたプロの講師から直接教えてもらうことで、より実践的なスキルを学べます。
勉強会や研修に参加している、ほかの学習者とのコミュニケーションも図れるため、RPAの学習のモチベーション向上にもつながるでしょう。
モチベーションに特化した研修もあるため、活用するのも手です。
本・書籍
本や書籍を使った学習も未経験者にとっては効果的です。学習にかかるコストも低く、自分のペースで学べる点が本や書籍による学習の大きなメリットです。
初心者向けのおすすめ書籍としては、以下の2冊が挙げられます。
・『いちばんやさしいRPAの教本 人気講師が教える現場のための業務自動化ノウハウ』
RPAツールの無料トライアル
無料トライアル期間を設けているものもあります。
実際に操作することで、各種RPAツールの使い方を学ぶことはとてもおすすめです。
無料で使えるRPAはこちらで紹介しています。
RPAツール提供ベンダーの無料講座
WinActorやUiPathなどのツールは、ベンダーがWeb学習サービスを無料で提供しています。
既に市場ではかなり実績のあるRPAツールの学習サービスであり、体系的に学ぶことができます。
まとめ
RPA人材には、社内体制構築から導入ツールの選定、フローの作成、保守運用、効果検証まで、さまざまな役割が求められます。
RPAを用いることで業務プロセスの自動化を行うことが可能で、定型業務などの効率化、ひいては人員の最適配置にもつながります。
これからもRPAの需要は続くと考えられ、将来性のあるスキルです。
最新技術に触れられることから、キャリアアップのためにも、お勧めできる分野です。
ただプログラミング知識はいらないものの、ある程度のカンコツが必要になります。
独学で自信がない方はプロの手を借りることも検討しましょう。