Power Automateというと、「承認フロー」や「ファイル保存の自動化」といったバックオフィス向けのツールで使われます。
しかし、Microsoft formsやOutlookなどの問い合わせへの初動を自動化する、という使い方があります。
お問い合わせが届いた瞬間に
・お客様へ自動で一次返信
・社内へ即時通知
という仕組みです。
本記事では、Microsoft Forms × Power Automate × Teams を使い、問い合わせ対応の仕組みを解説します。
1.今回作る仕組み
1.今回作る仕組み
今回構築するフローは以下のとおりです。
① お問い合わせフォームに入力が入る
↓
② Power Automateが起動
↓
③ お客様へ自動返信メールを送信
↓
④ 社内Teamsへ即時通知
※ 返信後の対応(電話・個別返信)は、人が行います。
今回使用するツールはこちらです。
・Microsoft Forms(お問い合わせフォーム)
・Power Automate
・Outlook(メール送信)
・Microsoft Teams(社内通知)
※ すべて Microsoft 365 標準範囲で対応可能です。
2.具体的な設定手順
STEP1:Microsoft Formsで問い合わせフォームを作成
<フォーム例>
・会社名
・氏名
・メールアドレス(必須)
・お問い合わせ内容
※「メールアドレス」は必須項目です。
STEP2:Power Automateで新しいフローを作成
1.Power Automate にアクセス
2.「自動化したクラウド フロー」を選択
3.フロー名を入力
例:お問い合わせ自動返信&通知
トリガーを選択
「Microsoft Forms – 新しい回答が送信されたとき」
STEP3:フォームの回答内容を取得
1.次のアクションを追加
「Microsoft Forms – 応答の詳細を取得」
2.フォームID
STEP2と同じフォームを指定
3.応答ID
動的コンテンツ「応答ID」を指定
STEP4:お客様へ自動返信メールを送信
次のアクションを追加
1.「Outlook – メールを送信(V2)」
宛先
フォームの「メールアドレス」
件名
【自動返信】お問い合わせありがとうございます
本文(例)

「氏名」は 動的コンテンツ を使うことで、個別に名前入り返信が可能です。
STEP5:社内Teamsへ通知を送る
次のアクションを追加
1.「Teams – チャネルにメッセージを投稿」
設定例:
・チーム:営業チーム
・チャネル:お問い合わせ通知
・メッセージ内容(例)

3.実務で使うための工夫・ポイント
① 定型返信は“簡潔”が正解
詳細な説明は書かず、「受け取った」「必ず連絡する」だけで十分です。
送信が受け付けられたということを認識してもらうことが重要です。
② Teams通知で属人化を防ぐ
個人宛てメールではなく、チームチャネルへ通知します。
これだけで「誰も見ていない」が防げます。
③ 後から機能拡張できます
・問い合わせ内容で分岐する
・担当部署ごとに通知先変更する
・SharePointやExcelへ履歴を保存する
すべてPower Automateで後から設定可能です。
4.まとめ まずは初動だけでも自動化する
今回のように、
受信、一次返信、社内共有
この3点だけでも、Power Automateで自動化することで、対応スピード向上、ミス防止、業務負荷軽減、という効果が実感できます。
「人が判断すべき部分」と「システムに任せてよい部分」を切り分ける、第一歩として、問い合わせ対応の自動化はおすすめです。
8. 次のステップ(研修のご案内)
「この作業も自動化できるかな?」というご相談や、部署全体での内製化に向けた研修も承っています。
