顧客のニーズが多様化に伴い、誌面広告やメディア広告といった「マス広告」だけで集客や売上を伸ばすのことが難しくなっています。
マーケティングおいてターゲットを明確に設定し、アプローチすべき顧客を絞り込むことが必要不可欠となっています。
しかし、ただターゲットを絞り込むだけでは、顧客の人物像まで考えたマーケティングをおこなうことはできません。
成果を最大化するためには「ペルソナ設定」をすることがとても重要です。
そこで今回は、ペルソナ設定の概要や設定例ついて詳しく説明します。
目次
ペルソナ設定とは?
ペルソナは、ユングの提唱した心理学用語で、仮面を意味する「Persona」からうまれた言葉です。
人間の「外的側面」「内側に潜む自分」がペルソナだと定義されています。
マーケティングにおけるペルソナは「サービスを利用する架空の人物」のことで、ペルソナを決めることを「ペルソナ設定」といいます。
性別や年齢層だけでなく、学歴、職歴、年収、趣味、特技、ライフスタイル、家族構成、価値観など、あらゆる属性を検討し設定します。
「ペルソナ設定とターゲット設定は同じ意味なのでは?」と思えるかもしれませんが、正しくマーケティング施策を練るためにも、この違いをまずはっきりさせましょう。
ターゲットとの違いと設定例
ターゲットも、ペルソナと同じく、商品やサービスのユーザーモデルを指す言葉ではありますが、モデルをいかに深堀して設定するかにあります。
例えばターゲットでは、「20代・男性・営業職」のように簡単な概要だけを設定していたモデルも、ペルソナでは次のように設定されます。
ターゲットの場合
- 30代
- 男性
- 社会人5年目
- 既婚
ペルソナの場合
- 名前|松尾 一馬
- 性別|男性
- 年齢|38歳
- 結婚|既婚
- 居住地:愛知県
- 学歴:高校→四年制大学数理学部卒
- 職業:商社、営業、総合職
- 年収:350万円
- 製品|車のエンジン部品
- 製品価格|営業スパン 10万円
- 業務内容|製造部門のメンバー管理
- 業務上のゴール|メンバーが製品の不良率が低い状態で作れるような仕組みを作ること
- 評価基準|不良率
- 業務上の課題|不良品を目標水準に抑えられていない
- 役割|他社事例を比較して、候補製品を絞りこみする
- 性格|まじめで几帳面な性格。物事を決めるときは、自身で完璧に整理したうえで上席に許可を取りたい
部下への指導も丁寧で、信頼を得ている。 - 趣味|山登り、最新のカメラ製品、カメラ撮影、休日子供と遊ぶこと
- よく使うデバイス|PC/スマホ
- よく使うアプリ|Teams,LINE,outlook,GoogleChrome
- よく見るサイト|仕事ではあまり見ない。カメラの最新情報の調査のために閲覧
- よく見るTV/雑誌|ニュース、日経新聞、デジタルカメラマガジン、日本カメラ
- よく使うコンタクト方法|電話、メール、teams、LINE
- よく行くお店|1人でビックカメラなど家電製品屋、家族とイオンなどのショッピングモール
- 支出の多い分野|カメラ、子供の教育費
あくまで一例となりますので、細かすぎる設定をすることは避けましょう。設定が縦横に広がり複雑化しすぎると、方向性の判断を見誤る可能性があります。自社にとって何が必要なのかを見極めたうえで、設定を厳格化しペルソナを構築していくことが大切です。
ペルソナ設定の4つのメリット
企業の利益確保の観点から考えて、ペルソナの設定はとても重要です。
ペルソナを細かく設定することは対象を狭めるようにも思えますが、一人のニーズを満たせるサービスの開発を目指すことが多くのユーザー獲得し、売上の向上につながります。
ペルソナ設定することで得られるメリットを4つに分けて説明します。
認識の共有
ペルソナを設定する1つ目のメリットは、メンバー間で人物像の認識を統一できることです。
ターゲットの設定していないと、具体的な人物像はメンバー間で齟齬が出てしまいがちです。
ペルソナを設定すれば、趣味や性格も具体的に明らかになるので、メンバー間での認識が一致します。
資料で人物像の共有ができるため、コミュニケーションコストも省くことができ、担当者の変更にも役立ちます。
ユーザニーズの明確化
2つ目のメリットは、ユーザーニーズを明確にできることです。
そのペルソナが商品やサービスに何を求めているのかが明らかにしやすくなります。
ペルソナのニーズを徹底的に追及したサービスを開発することで、マーケティング戦略を考えやすくなります。
ペルソナにしか売れないサービスになると感じるかもしれませんが、1人が持っているニーズは、ほかの多くの人も適用できます。
曖昧なターゲットからうまれたサービスではなく、圧倒的に支持されるサービスを作ることがポイントです。
精度の向上
3つ目のメリットは、マーケティングの精度を高められることです。
ペルソナ設定を具体的にすることで、ニーズはもちろん、広告の内容や配信時間なども想像しやすくなります。
テストは必要ですが、最初からより精度の高いマーケティングができることもメリットです。
設定したペルソナのニーズを満たす戦略を立案し、そのペルソナと同じニーズや思考を持つ顧客層にアプローチをすることになります。
限定的なアプローチ方法を考えているように感じやすいペルソナ設定ですが、結果的に多くのニーズを満たすことにつながります。
コスト削減
4つ目のメリットは、コスト削減につながることです。
担当者間で同一のイメージをもつことで開発するサービスの修正やマーケティング手法の変更など、無駄な作業を減らすことにつながります。
アプローチすべき人物が特定されているため、担当者間の認識を統一し、限られた日数や予算の範囲内で成果効率的に運用できます。
部署を超えたマーケティング戦略を考える企業や、頻繁に方向性を確認・調整するプロジェクトではペルソナ設定の重要性はより高くなります。
プロジェクトの成功に欠かせない要素が顕在化され、無駄なく効果的な施策を行え、成果までのスピードや確実性を高めつつ、コストを最小限に抑えることにつながります。
まとめ
ユーザーに選ばれ続けるサービスを開発し、最大限の価値提供をおこなうためには、ペルソナの設定が欠かせません。
一度設定しておわりではなく、マーケティング施策を振り返りながら設定したペルソナが適切であったかを評価することもとても大切です。
ここで説明した内容を参考にして、集客数や売上の向上につながるペルソナ設定を試してみましょう。
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参考:マーケティングで使うペルソナとは?メリットや注意点を解説 | digmar