先日、多くの中部圏の経営者様が集まる、某ロータリークラブでDXに関して講話をしてまいりました。
DXということばには、経営者様たちは敏感に反応されますが、実際のところ、DXのそれぞれの企業にとっての正確な意味づけ、経営者様がDXを自社で推進するにあたって何をすればいいのか? 何をしてはいけないのか? は、あいまいなところがあるというお話だったので、できるだけ、皆様の頭の整理をしていただくためのヒントになればな、と思い、コンパクトに論点を絞ってお話しさせていただきました。
このコラムでは、その論点をさらに短縮してお伝えします。 講話の資料も下のリンクからダウンロードできますので、ご活用いただければ幸いです。
目次
論点サマリーハイライト
① DXとはずばり何なのでしょうか?
② なぜ、政府はDXをこんなに強く推奨するようになったのでしょうか?
③ DXに関して、私たち企業はどのように取り組まなくてはならないのでしょうか?
④ DXに取り組まなかった時のデメリットはなんでしょうか?
➄ 経営者として、DXを推進するにあたって役割は?
⑥ 経営者のやっちゃダメなこととは?
⑦ DXは”投資”であり、”コスト”。 経営者自らの意識改革の必然性
⑧ とにかく早く始めた会社が勝ち!
⑨ DXに限っては、絶対にベンダーのいいなりになるな! 「自社型」DXのすすめ
⑩ 必要時にはプロの力を借りる
DXとはずばり何?
DXは、デジタル・トランスフォーメーションの略で、ずばり、「デジタル技術をつかって企業変革を引き起こすこと」と言えます。
なぜ、政府はDXをこんなに強く推奨するようになったのでしょうか?
経済産業省は、すべての規模の企業に、DXを推進することを強く呼びかけています。
その理由として、経済産業省のDXレポートには、日本の企業が取り組まなかった時は「2025年の崖」が起きて、日本経済が停滞し国際競争で競争力を失い年間12兆円の損失が生じると予想されているからです。
一方、経済産業省は、すべての規模の企業にDXを推進しやすくするための補助金や事例支援などを充実してきています。
私たち企業はどのようにDXに取り組まなくてはならないのでしょうか? 他社はどうしてる?
では、私たち企業はどのようにDXに取り組めばいいのでしょうか? なかなかイメージわきませんよね。でも、実は、DXの企業での実現例は、私たちの身近に多数あります。
その一つの例は、最近出てきている不動産物件の内見をスマートフォンやVR(バーチャルリアリティ)で実現するサービスです。現地に行かなくても効率的に物件が見られ、顧客の利便性があがり、不動産屋さんの同行の手間も省けます。顧客サービスの変革をDXで実現した例で、この新規サービスで、他社との差別化でコロナであってもビジネスを伸ばせているようです。
Man to Manでも、自社の求職者サイトで、自動応答のチャットボット(チャット(おしゃべり)+ボット(ロボット))を導入しました。
これは、求職者さんが、一番お仕事を探す時間帯、つまり、土日だったり、勤務後自宅に帰った夜だったりする時間帯でも、スマホを使ってひとつひとつ質問していくことで、チャットボットがお仕事に関する質問に丁寧に答えてくれるわけです。
24時間、求職者対応の担当者を置かなくても、求職者さんの満足度を得られます。これもDXで、チャットボット導入で、新規の応募者が50%増えたという事例もあるようです。
チャットボットについては、下記でより詳しく紹介してますので、合わせてご覧ください。
https://dx.man-to-man-g.com/column/digitalmarketing-chatbot-conjugation
また、製造現場でもDXは進んできています。現場は、不良品がでても紙などで業務を回している現状があるために「見せない化」が起こってしまっています。
これによって、本来は、早期の不良品対応をすべきところ経営判断が遅れてしまっているという残念な実態のようです。
ここで手書きの記録を直接入力できるタブレットをつかったリアルタイム入力に切り替えたところ、生産状況、作業状況の見える化が実現でき即時の「ムダ」箇所の判断を経営者ができるようになったという例です。
実はAI(人工知能)もDXで活用します。自動検査は職人の技だったりしますが、職人の高齢化により技の伝授が難しくなっている現状をAIは変革を支援する道具になっています。
身近なDX事例は、どうやって実現されてきているのか? 実現するためによく使われる道具は?
AIや、RPA(業務自動化ロボット)、OCR(紙文字のデータ書き起こし)など、DXを難しい知識がなくても実現できる道具も、最近では安価に活用できるようになってきていることも注目できるところです。
無料で使えるRPAツールについても記事をまとめてますので、こちらも合わせてご覧ください。
https://dx.man-to-man-g.com/column/rpa-tool-free
ここからは、Man to Manでの事例をご紹介します。RPAを総務系の事務員が勉強した結果(1時間を6回程度)、いままで手作業でやっていた事務業務をRPAというロボットで実施できるようになりました。
結果、現時点で月に220時間の業務自動化ができ、Man to Manの事務員は大変モティベーションあがっており、さらなるRPAの他業務への活用を自分たち同士で議論しています。
社内のデジタル・リテラシーがあがってきている状況が我々にもみてとれるうれしい状況です。
ここまでDXの身近な事例をご紹介させていただきました。いかがでしょうか?イメージもっていただけましたでしょうか?
デジタル・リテラシーについて、さらに詳細にまとめた記事もありますので、合わせてご覧ください。
https://dx.man-to-man-g.com/column/literacy-tool-learning
DXに取り組まなかった時のデメリットはなんでしょうか?
Man to ManもDXに奮闘していますが、皆様においても、競争優位性を維持していくためには、やっぱりDXは待ったなしの状態かと思います。
結局、競合他社が様々な形でDXに加速度的に取り組みだしたら、DXへの取り組みが遅れると、変化に対応できず、競争優位性をなくしてしまうという結果にいずれなってしまうのです。
一日も早くスタートすることが肝要です。
経営者として、DXを推進するにあたって役割は?
1.経営の方向性の打ち出し
2.DXの初めの一歩を踏み出せる余裕を生み出す環境づくり
3.企業変革を推進する人材の抜擢、組織づくり
4.DXを全社に浸透させるためには、全社員のリテラシー向上に向けた学びなおしの企業方針、文化の醸成、社内環境の整備、人材育成指標
5.失敗を許容するDXのための人材の処遇評価制度の導入
6.スピーディーな変化に対応できる投資意思決定方法の表明
経営者のやっちゃダメなこととは?
1.デジタル技術をつかって何かやれ と部下に落とす
2.経営戦略とDXは別次元扱いをする
3.変化に対する現場の反発につど強い意志で対処しない
4.投資対効果をベースにDXをほかの投資項目と優先度付け
5.IT部門にDX担当者をアサインする
6.コンサルタントに事業要件の整理をしないうちに提案させる
7.投資をまずはやってみる!という迅速な意思決定
8.既存業務の評価に追加の形でDXの推進を部下に落とす
DXは”投資”であり、”コスト”。 経営者自らの意識改革の必然性
DXは、「未来のビジネスモデルを創出する」“投資”であり、“コスト”ではないです。
一度で大きな変革を起こすことより、小さな変革を継続して積み上げる姿勢が重要となります。
DXに限っては、絶対にベンダーのいいなりになるな! 「自社型」DXのすすめ
おさらいすると、DXのそもそもの目的は、自律型変革企業として、他社から大きな差別化ビジネスを作り出すため。
そうなると、その大事な戦略を他社には任せられません。
自社主導であるべき。
自社の強みは、自社のみが知る 独自性なくして、競争優位性のある戦略は導き出されません。
そうなると、いかにDXを進められる人材を社内に確保できるか?が重要な勝ちパターンにつながってきます。
外部コンサルやベンダーに依存せず、自社でテクノロジーを活用、企画、開拓、展開できる人材を社内で育成、差別化をるのが必至。
必要時にはプロの力を借りるのも手です。
「自社型DX」を進めているお客様からよくお聞きする不安やお悩みは・・・
・どんな業務を選んで企画したらいいの?・技術選定はどうやってやるの?
・ 全体のロードマップが描けない
・プロジェクトをうまく回す自信がない
・もっと同業他社事例を知りたい
・技術の費用面、効果面の勘所がないので優先度決められない
・AIなど先進技術のプロジェクト運営方法がわからない
・そもそも変革リーダーにDXスキルを教える補佐的な人材がいない
・要件定義のノウハウがないためベンダーに正しくお願いできない
・ベンダーの提案の第3者的な評価ができず言いなりになってしまっている
・ベンダーとのプロジェクトを切り盛りできる経験が不足している
内製化は大事ですが、結局、DX変革のスピードが落ちては意味がありません。
そんな時は、自社のプロジェクトに自社の視点で、一緒に考え、適宜適切なアドバイスを与えてくれ、長期に寄り添ってくれるような伴走型支援を提供する会社と組むのにメリットがあるのではないでしょうか?
最後に
総合人材コンサルタント企業として成長してきたMan to Manも、DXの専門部隊を組織しておりますので、各業種で培ってきた新メンバーの経験、ノウハウを「デジ革ご一緒サービス」として、DX伴走型サービスを、お客様にご提供していきたいと考えております。
よろしければ、お気軽にMan to Manのデジタル戦略推進にお声掛けいただければと幸いです。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
講話資料のダウンロードは下記をクリックしてください。