マクロとRPAは、業務の効率化を目的としたツールとしてよく取り上げられます。
本記事では、それぞれの違いと活用方法について解説します。
本ブログでは、デジタルマーケティングについて、読者の皆様に役立つ情報を定期的に提供します。
今回は「RPAとマクロの違い」についてお届けします。
RPAとマクロの違い
マクロは、主にExcelなどのMicrosoft Officeで利用される自動化ツールです。繰り返しの作業をVBAなどのコードで記録し、自動で実行します。
RPAは、人間が行うコンピュータ上の操作を模倣して、自動化する技術です。データ入力や複数システムにまたがる作業を統合的に処理します。
マクロはMicrosoft Officeでの作業に限られる一方、RPAは複数のアプリケーションやシステム間を跨いだ作業の自動化が可能です。
RPAは業務プロセス全体を自動化し、効率化できる点が優れています。
マクロの活用例
Outlook、Excel、PowerPointを組み合わせてマクロを活用することで、業務効率化が図れます。
以下は活用例です。
<毎月の営業報告書作成プロセスの自動化>
1.Excelでデータ集計営業チームがExcelに毎月の売上データを入力します。マクロを使って、売上データを自動で集計・グラフ化し、必要な情報を整理します。
2.PowerPointでレポートを作成マクロを使って、集計したExcelデータを自動的にPowerPointの指定スライドに挿入し、グラフや表を使ったビジュアル化された営業報告書を作成します。
3.Outlookで自動送信
完成したPowerPointの営業報告書を、Outlookと連携したマクロを使って、関係者に自動的にメールで
送信します信します。件名や本文もマクロで事前に設定可能です。
RPAの活用例
Power Automate Desktopを使ったRPAの活用例をご紹介します。
<データ入力の自動化>
1.シナリオ:
顧客情報や注文データをExcelシートやWebフォームに手動で入力する作業が発生する。
2.RPA活用
Power Automate Desktopを使って、Excelシートのデータを読み取り、自動でシステムに入力するRPA
を構築。数百件のデータを数分で処理できます。
3.効果
手入力のミスを防ぎ、短時間で大量のデータを入力できます。
導入の難易度とコスト
<マクロ>
Excelを日常的に使いこなしているユーザーであれば、基本的なマクロの録画機能を使って自動化プロセスを作成することは簡単です。
具体的な操作手順を記録し、その後自動で再現させる「マクロの記録」機能を使うことで、プログラミングの知識がなくても簡単な自動化を実現できます。VBAの技能を身につければ、高度な自動化も可能です。
複雑な業務ロジックや外部システムとの連携を必要とする場合は、VBAのプログラミングスキルが必要となり、学習コストは高くなります。
マクロはMicrosoft Office製品に標準で搭載されている機能であるため、追加のソフトウェアライセンス費用や特別なツールを導入する必要はありません。そのため、ライセンスコストは低く抑えられます。特別なツールも不要で、ExcelやWord、OutlookなどのOffice製品がインストールされていれば、すぐに利用できます。
<RPA>
RPAツールには、特定の業務フローをGUIベースで設計できるものも多く、プログラミングの知識がなくても使えるようになっていますが、システム間の複雑な連携やエラー処理、例外対応などを考慮すると、専門的な技能が求められます。
プロセス全体の分析から始まり、自動化対象の業務フローを明確にするための業務知識も必要です。大規模な業務プロセスの自動化を目指す場合、導入時には適切なプロセス分析とRPAツールの選定が重要です。
RPAの導入コストは、ツールのライセンス費用、システム導入、設定、メンテナンスに関連するコストが発生します。RPAツールには、UiPath、Microsoft Power Automateなど、さまざまな製品が存在します。
業務プロセスのヒアリング、設計、シナリオ作成など、コンサルティングサービスを伴うこともあるため、これらの費用も考慮に入れる必要があります。大規模なRPAプロジェクトでは、導入後のメンテナンスや管理のためのリソース確保も必要です。業務プロセスに変更があった場合、その都度ロボットの設定を変更する必要があるため、維持費用も発生します。
まとめ
マクロはMicrosoft Office製品を使った作業の自動化に適しており、RPAは複雑な業務プロセス全体の効率化に向いています。どちらのツールを使うかは、業務の規模やニーズ、費用や学習コストに応じて選ぶことが重要です。