封筒の宛名印刷は、Wordでもできます。
しかし、Wordですと、1件、1件印刷をしないといけません。
まとまった件数の宛名印刷を行う場合、Power Automate for Desktop(PAD)で全ての件数の住所、社名、担当者名を抽出、印刷まで、繰り返し処理をしてくれるところにメリットがあります。
 総務や営業の事務の仕事にある、封筒の宛名印刷。Excelに住所録はあるのに、毎回コピペして印刷…という手作業、時間がかかりますよね。こうした単純だけど量が多い作業は、Power Automate Desktop(以下、PAD)で自動化すると、ラクになります。
今回の自動化では、Excelで管理している住所リストをもとに、行ごとに宛名情報を封筒テンプレートへ転記 → 印刷コマンドを自動で送信します。人がやっていた「コピー&ペースト→印刷→次へ」を、最終行まで、PADに実行してもらいます。
封筒は、Excelの別のシートで長形2号、長形3号などのサイズに合わせて、郵便番号、住所、会社名、担当者名などのパラメータを配置場所を設定しておきます。
 Excelの住所録は、最低限、以下の列があればOKです。
「件数」列が空ならPADでのフローで、印刷対象から外して、数値が入っていれば印刷対象とするのがシンプルです。
| 列名 | 用途 | 例 | 
|---|---|---|
| 件数 | 印刷対象フラグ。空欄ならスキップ | 1,2,3,・・・ | 
| 郵便番号 | 封筒の郵便番号欄 | 460-0008 | 
| 住所1 | 都道府県・市区郡など | 愛知県名古屋市中区 | 
| 住所2 | 番地・建物名など | 栄1-2-3 ○○ビル5F | 
| 会社名 | 宛名の会社名 | ○○株式会社 | 
| 宛名1 | 部署・役職など | 人事部 採用ご担当者様 | 
| 宛名2 | 個人名など | 山田 太郎 様 | 
以下は、実際に動作するアクション構成の一例です。Excelのシート名やセル位置は、封筒テンプレートに合わせて読み替えてください。封筒は、予め、印刷機の手差しなどにセットされています。
①Excel住所録を起動
②アクティブなExcelワークシートを設定
③Excelワークシートから、最初の空の列と行を取得
④Excelワークシートから、最初の空の列と行までのリストを読み取る
⑤For eachで、件数の列が空でなければ、封筒の印刷対象の各セルに、郵便番号、住所、宛名などのを書き込む
⑥キー送信で、印刷プレビューを開いて、印刷を実行
⑦最後のレコードまで、書き込みと印刷を繰り返す
⑧EXCELを閉じる
<ポイント>
・「件数」列でオン/オフ管理
印刷の可否を手元で簡単に切り替えられます。
・テンプレートは固定
封筒レイアウト(セル位置)はテンプレートに合わせて調整します。
・印刷コマンドはキー送信
アプリの印刷メニューを、「Alt+F」 →「 P」 →「 P」で呼び出しています。
(環境によりキーは調整します)
「この作業も自動化できるかな?」というご相談や、部署全体での内製化に向けた研修も承っています。
 封筒の宛名印刷のように「単純だけど時間がかかる」業務は、PADで効率化しやすいものの代表的な例です。
 1回フローを作れば、次からはほぼアクションを実行するだけでOKです。こうした小さな自動化の積み重ねが、付加価値の高い業務へ集中できる時間を生み出します。