ビジネスの現場では、Outlookで届く依頼メールに、「●月●日までに対応お願いします」といった締め切りが書かれているケースがあります。しかし、その内容を都度、手動で確認してカレンダーに登録するのは手間がかかります。 今回は、Power Automate Desktop(PAD)を使って、Outlookに届いたメールのタイトルに含まれる「締め切り日時」を読み取り、その1日前(もちろん、2日前、3日前とかでもOK)に自動でリマインドメールを送信するフローの作り方を紹介します。
ビジネスの現場では、Outlookで届く依頼メールに、「●月●日までに対応お願いします」といった締め切りが書かれているケースがあります。しかし、その内容を都度、手動で確認してカレンダーに登録するのは手間がかかります。
今回は、Power Automate Desktop(PAD)を使って、Outlookに届いたメールのタイトルに含まれる「締め切り日時」を読み取り、その1日前(もちろん、2日前、3日前とかでもOK)に自動でリマインドメールを送信するフローの作り方を紹介します。
以下のような要件を自動化で実現します。1.Outlookで受信したメールの件名を読み取る2.件名に含まれる「締め切り日(例:2025/07/31)」を抽出3.締め切り日の1日前を計算4.指定日時になったら、自動でリマインドメールを送信使用ツール・Power Automate Desktop(PAD)・Microsoft Outlook
<フロー全体の概要>
以下のような構成でフローを設計します。1.Outlookの受信トレイから、特定条件に合うメールを取得2.件名から「締め切り日」の文字列を抽出(正規表現で日付パターン検出)3.日付を変数に変換し、1日前を算出4.Power Automate Desktopにスケジュール情報を保存(ExcelやCSVでも可)5.別のPower Automate Desktopのフローで、現在日時と照合し、リマインド対象を抽出6.Outlookから自動でリマインドメールを送信
1. 実行フロー2. 注意点とポイント3. まとめ
ステップ①:対象メールの取得アクション:「Outlookからメール メッセージを取得」条件:件名に「締切」「対応」などのキーワードを含むメールを対象にステップ②:件名から日付を抽出アクション:「テキスト内の正規表現を使って一致部分を抽出」パターン例:(\d{4}/\d{1,2}/\d{1,2})(補足)正規表現 (\d{4}/\d{1,2}/\d{1,2}) は、日付のような文字列
(\d{4}/\d{1,2}/\d{1,2})
(例:2025/07/31)を見つけるためのパターンです。
以下にわかりやすく分解して解説します。 正規表現:(\d{4}/\d{1,2}/\d{1,2})▶ \d{4}\d は「数字(0〜9)」を意味します。{4} は「ちょうど4桁」を意味します。つまり \d{4} は「4桁の数字」、つまり「年(例:2025)」を表します。▶ /文字通り「スラッシュ」です。そのままの / を含むことを指定しています。▶ \d{1,2}数字が「1桁または2桁」であることを意味します。{1,2} は「1文字か2文字」という意味。つまり \d{1,2} は、「月」や「日」に使える形式(例:7や07、31など)にマッチします。▶ 全体として(\d{4}/\d{1,2}/\d{1,2}) は次のような文字列にマッチします:対象文字列 説明2025/7/31 月が1桁、日が2桁2025/07/31 月・日ともに2桁2025/12/1 日が1桁結果:例)2025/07/31 という日付を抽出し、変数へ格納ステップ③:1日前の日時を計算アクション:「日時を変更」内容:抽出した日付から「1日前」の日時を求めるステップ④:リマインド対象を記録(例:CSVへ)アクション:「ファイル CSVファイルへ書き込む」内容:メールの送信元、件名、リマインド日などを記録ステップ⑤:スケジュールチェックと送信処理(別のフロー)アクション:「現在の日付を取得」→ CSVから該当行を抽出アクション:「Outlookでメールを送信」内容:リマインド対象者へ「明日が締め切りです」と送信
このフローを作成する際には、以下の点に気をつけましょう。正規表現での誤認識 タイトル内に別の数字(例:電話番号など)が混ざる場合、正しい日付だけを抽出するよう工夫が必要です。メール件名に複数の日時がある場合 最初の一致だけでなく、複数の一致パターンに対応するロジック設計も検討すべきです。スケジューラーとの連携 「毎日決まった時間にリマインド処理を走らせる」ため、Windowsのタスクスケジューラとの連携が必要です。日付形式の揺れ 2025/07/31 だけでなく、7月31日や2025-07-31といった形式の違いにも対応した正規表現を用意しましょう。リマインドメールの送信ミス防止 一度送信したメールはログとして残す、送信前に確認用の一時ファイルを作成するなど、誤送信を防ぐ工夫も検討すると安心です。
Power Automate Desktopを使えば、単なるルーチンワークも自動化でき、メール対応の抜け漏れリスクを減らすことができます。今回は「メールタイトルに含まれる締め切り日を元に、1日前に自動リマインド」する仕組みを紹介しました。
情報システム部門だけでなく、営業や管理職の方も活用できるアイデアです。ぜひ業務の中で試してみてください。